世界の製造業 在庫3割増

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コロナ前と比べ、中国減速で削減に遅れが

世界の製造業で在庫に過剰感が出ている。

主要企業の在庫は9月末に2兆1237億ドル(約310兆円)とコロナ蔓延前より3割多い。供給網正常化を受け、積み上がった在庫の削減に動くが、中国景気減速などで多くの業種で調整が遅れている。在庫消化にかかる時間は歴史的な長さで、世界景気の重荷になりかねない。

在庫が何日で消化できるかを示す在庫開店日数は23年7月〜9月期に87.2日と、4〜6月期から横ばいになっている。新型コロナ拡大で売上高が一時急減した影響が大きい20年4月〜6月期(91.6日)を除けば過去10年で最長である。

一部業種では在庫調整が進む。コロナ特需の反動で調整がいち早く進んだパソコンなど「コンピューター・ハードウェア」の在庫日数は56日と、23年7月〜9月期に7四半期ぶりの低水準である。

全体の在庫調整が長引けば、需要の下押しや生産縮小などの影響もある。中国では政府の景気刺激策の効果が未知数なほか、米景気も屋台骨の個人消費に減速懸念が出ている。過剰在庫の解消時期は見通し憎い状況が続く可能性がある。

(2023年12月5日火曜日 日経新聞より)

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